2023

*子どもコンテンツフォーラム2023

<セミナー概要>

【日時】2023年6月~2024年1月 全8回 16:00~18:00
※初回のキックオフセミナーは16:00~18:30
 最終回のコラボ会議は13:00~17:30

【会場】Zoomウェビナー

【対象者】子ども向けコンテンツ開発や商品開発などに関わる方/子ども向けコンテンツに関心のある保育・教育関係者、NPO、研究者など

【主催】子どもコンテンツリサーチ研究所(CCRI)(キャラクター・データバンク、ミッドポイント・ワークラボ)

【協力(予定)】一般社団法人キャラクターブランド・ライセンス協会、一般社団法人日本オンラインゲーム協会
一般社団法人日本動画協会、一般社団法人日本商品化権協会

<2023年度のプログラム>

年間テーマ:コンテンツの“再生”エネルギーを活かす

 コロナ禍も完全になくなったわけではありませんが、脱マスクの議論が出てきたり、レジャー施設やイベントなどの入場制限緩和やお祭りの再開など、いよいよwithコロナ・脱コロナに向けて社会が本格的に始動しはじめました。そうした環境の下、3年間の蓄積した子どもたちの目に見えない閉塞感やストレスをいかに解消し、外向き、前向きの明るい開放的なパワーを取り戻して行くかが早急な課題だと思います。今年度の子どもコンテンツフォーラムでは、昨年度の子ども調査の結果も踏まえ、子どもたちがもともと持っている元気エネルギーをいかに再生できるか、子どもコンテンツの視点から探っていきたいと思います。フォーラムの前半では主に、アートや創作活動といった子どもの想像力やクリエイティブエネルギーについて、後半では、子どものスポーツ、身体表現、自然体験といった、子どもの身体や遊びのエネルギーについて考えて行きます。

【第1回】   7月18日(火)16:00~18:30 キックオフセミナー「社会を元気にする!子どもの創造エネルギー」(※終了しています)

子どもたちは、遊びやさまざまなコンテンツに触れることで自由な想像力を働かせたり、創造活動や表現活動を通じて元気になったり、また同時にさまざまなことを学んでいきます。キックオフセミナーでは、子どもたちの創造エネルギーについて考えたいと思います。
(1)<基調講演> ワークショップから考える子どもの創造エネルギー
アート系のワークショップからプログラミングやSTEAM教育など幅広いジャンルの子ども向けワークショップを産官学連携で企画、プロデュースしてきたCANVAS。子どもたち一人ひとりの自主性を尊重しながらクリエイティビティを引き出すファシリテーションを大切にしている。子どもに寄り添う大人のファシリテーションで大切な視点、企画開発(知育玩具のワークショップコンテンツ開発含む)で肝となる部分など具体的な活動、ご経験を交えながらお話しいただきます。
講師窪村 永里子氏(ワークショップコーディネーター/講師)
大学で現代美術史を学ぶ。2015年CANVAS入社。造形・サイエンス・プログラミングなど様々なワークショップを企業・自治体・アーティストと共に企画。300回以上のワークショップを実施し、約6000人の子どもたちへ体験を届けている。

(2)キックオフセッション
基調講演、話題提供等を踏まえ、最近の子どもを取り巻く環境の変化や、子どもの嗜好や能力の変化などもふまえながら、子どもの創造エネルギーの特徴とその引き出し方、活かし方などについて考えてみたいと思います。子ども向け商品の開発やイベント企画などとかなり共通する要素も多いと思います。
話題提供①商品化市場にみる子どものクリエイティブ要素
       陸川 和男 (株式会社キャラクター・データバンク 代表取締役社長)
     ②コンテンツが生み出す子どもの想像力
       西岡 直実 (ミッドポイント ワークラボ 代表)
ディスカッション:窪村/陸川/西岡

第2回 8月22日(火)16:00~18:00 「子どものクリエイティブエネルギー」

子どもが本来持っている想像力や創造性は、クリエイティブな活動をすることで、さらに子ども自身を癒したり元気にします。子どもが関心のある工作やデザイン、音楽などの分野でも、ロボット工作やボカロ音楽制作など、大人のプロ領域に子どもが参加し腕を磨けるような環境も生まれてきています。第2回目は子どもの造形・創作などのクリエイティブ活動にフォーカスします。
(1)『ポケコロ』で育まれる、子どものクリエイティビティ
国内No1アバターアプリ『ポケコロ』
衣装やインテリアを自由にコーディネートして、友人との交流を楽しむアプリで、様々な年齢層の女 性に遊んでいただいています。本アプリのお客様の中でも、子ども層の皆様がポケコロをどのように遊ばれているのか、またそこで見られるクリエイティビティについてお話をさせて頂きます。
講師:直井啓訓氏(ココネ株式会社 ポケコロ事業部 事業部長)
2004年よりデジタルゲーム業界にて、プランナー/ディレクターとして従事。モバイルの隆盛に合わせスマートフォンアプリ業界に軸足を移し、数々のデジタルエンターテイメントの制作に関わる。現在はココネ株式会社の『ポケコロ』プロジェクトにて、事業部長を務める。

(2)「子どもの想像力と創造力を引き出すには?」
これからの未来を生きる子どもたちにはロボットやAIには代替できない、新しい価値を生み出す創造力やテクノロジーを活用する力が求められている中、多くの子どもたちが小学生から中学生の間で「絵は苦手、つくることは好きじゃない」と創造性に対する自信を失っています。この回では、小学生向けのクリエイティブスクールを運営する中で見えてきた子どもの想像力と創造力を引き出すヒントについてお話します。
講師:石橋莉子氏SPAAK Kids Creative School 代表 兼 SPAAK株式会社 代表取締役
1996年佐賀県生まれ。東京外国語大学を卒業後、新卒でLINE株式会社に入社しプロダクトマネージャーとして大規模アプリの企画開発に携わる。その後、教育分野に携わりたいという思いからatama plus株式会社に入社しUI/UXデザイナーとして、小中高生向けの学習アプリの企画開発を担当。自身が強みとする【デザイン】×【教育】の分野で、正解のない21世紀を生きる子どもたちが自らのアイディアをカタチにできる世界をめざして、2022年11月にSPAAK株式会社を創業。2023年1月に小学生向けクリエイティブスクール「SPAAK Kids Creative School」を開校し、未来のクリエイターを育てる活動を展開している。

第3回 9月19日(火)16:00~18:00 「子どもの好奇心エネルギー」

知識系のコンテンツであっても、子どもたちは必ずしも学校の勉強のためだけではなく、知的好奇心を刺激されたり、クイズや謎解きといった遊びの体験の中で自然に学ぶことも多いと思います。タブレットなども普及する環境の中で、バーチャル環境も視野に入れた子どもたちの新しい好奇心づくりの形と可能性について考えます。
(1)遊びながら好奇心を刺激する、動物トイブランド『アニア』の魅力と可能性!!
今年10周年を迎える、動物トイブランド『アニア』!!現在テレビアニメ化『冒険大陸アニアキングダム』も絶賛放映中!!その企画背景やブランドコンセプト、成長過程、今後の可能性などを映像も交えお話したいと思います。
講師:長島元氏株式会社タカラトミー ブランドビジネス本部 ブランドビジネス事業室 室長
1999年(旧トミー)入社。主にトミカやアニアなどの定番ブランドやキャラクタートイ、海外向け商品などの企画開発/マーケティングを長年経験。プライベートでは「欽ちゃんの仮装大賞」に出場し優勝も経験!!

(2)「展覧会」から生まれる体験・価値・記憶・未来
昨今のコンテンツ業界では「展覧会」が顧客と作品の接点として重要性を増しています。作品とファンとが同じ時間・空間をひとつにする特別な体験として、鑑賞者の期待に応えながら、作品や作家の価値を高める「展覧会をつくる」仕事のいまとこれからをお話しできればと思います。
講師:君和田 敬之氏朝日新聞社 メディア事業本部 文化事業2部 次長
1981年 茨城県鹿嶋市生まれ。2006年 慶応大学政策・メディア研究科修士課程卒、朝日新聞社入社。文化事業部にて展覧会の企画・運営を担当。「ミッフィー展」 「ぐりとぐら展」「林明子展」「せなけいこ展」「くまのがっこう展」「くまのプーさん展」「ミロコマチコ展」「ヨシタケシンスケ展」「サンエックス展」などのキャラクター・絵本展を中心に「マウリッツハイス美術館展」「宇宙博2014」「恐竜博2016」「大哺乳類展」などの大型展や「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」、「ユーミン・ミュージアム」「キングダム展」「さくらももこ展」などの新領域の企画も担当。

第4回10月17日(火)16:00~18:00 「子どもの運動と自由なあそびのエネルギー」

部活の運営やその意義、特にスポーツについては最近、勝つためのスポーツと楽しむスポーツという議論もさかんです。スポーツだけでなく、最近、屋内空間で体を動かせる新しいタイプの施設も身近に生まれています。第4回は子どもたちの運動やからだを動かすあそびについて、さらに、メディアや空間の機能についても考えます。
1)子どものためのボール運動プログラム「バルシューレ」
   -生涯スポーツ社会の実現とアスリート育成の両立に向けた楽しさと多様な動きの獲得-
バルシューレは、クラウス・ロート博士によってドイツで開発された子どものためのボール運動指導プログラムである。本セミナーでは、生涯スポーツ社会の実現とアスリート育成の両立という観点からバルシューレの理念について紹介する。
講師:奥田 知靖氏北海道教育大学岩見沢校 教授合同会社バルプラッツ 代表社員NPO法人バルシューレジャパン 理事

1980年9月7日生・43歳。2004年 大阪教育大学教育学部卒業、2006年 大阪教育大学大学院 教育学研究科修士課程 保健体育専攻修了、2013年 広島大学大学院 教育学研究科博士課程後期 文化教育開発専攻修了、同年 博士(教育学)(広島大学)取得。
2008年~2013年 北海道教育大学教育学部 講師、「ボール運動の試合分析および戦術行動について研究」。2013年~現在 北海道教育大学教育学部 准教授(~2021年)・教授(2022年~現在)、「子どもの体力・運動能力および運動指導プログラムについての研究」を行っている。

(2)ボーネルンドがつくる『あそび×スポーツ』楽しく体を動かして遊ぶ体験や環境づくりの実践
スポーツを好きになるには、まずは体を動かすことを好きになるのが大切。体遊びの中には多様な体の動きがあり、それはやがてスポーツにつながっていきます。「あそびとスポーツ」をテーマにしたボーネルンドのあそび場には、遊びながら運動能力が養われる仕掛けや、多様なスポーツの動きを試して興味を持つ機会を多数用意しています。また、野球、サッカー、パルクールなどプロのスポーツ団体との取り組みもご紹介します。
講師:森田 隼氏株式会社ボーネルンド マーケティング本部 販売促進室 課長
2010年より親子の室内あそび場「キドキド」のプレイリーダーとして、親子にあそびを提供する仕事に従事。その後、店長を経て、エリアマネージャーとして店舗運営を指導。子どもとあそびについて学び、多くの親子と接してきた経験を活かし、現在は、マーケティング本部にて、多様なあそびイベント・プログラム開発などに携わる。

第5回11月21日(火)16:00~18:00 「子どもの生活創造エネルギー」

子どもたちは衣食住の中にも遊び要素を見出そうとします。料理やファッション、そしてふだん子どもたちが暮らしている部屋などの住環境、逆に非日常といった子どもの生活視点から生まれるエネルギーについて考えてみます。
(1)番組制作現場から考える 子どものエネルギーを引き出す食育コンテンツとは(仮)
講師:浦上 宰理氏(株式会社NHKエデュケーショナル こども幼児グループ プロデューサー)
1991年に始まったNHKの子ども向け食育番組は、名を変え、作りを変えながら「料理」という切り口で子どもたちの自立や成長を後押ししてきました。30年間で番組がどのように変わり今の形になったのか。一方で変わらずに受け継いできたものはなにか。子どもたちの創造・再生エネルギーを引き出すため、食育番組の制作現場が何にどう取り組んできたのかをお話します。
講師:浦上宰理氏株式会社NHKエデュケーショナル こども幼児グループ プロデューサー

1976年京都生まれ。京都大学教育学部卒業後、2000年にNHKに入社。道徳人形劇「ざわざわ森のがんこちゃん」、福祉番組「ストレッチマン」、学校放送系番組「おはなしのくに」「カテイカ」、育児番組「となりの子育て」「ウワサの保護者会」、子どもの虐待防止アニメ「#もしかして…」など、主に子どもや子育てに関わる番組の企画・制作に携わる。2016年~2019年まで夫の異動に伴い、アメリカ・ニューヨークで子育てにいそしむ。現在は、出向先のNHKエデュケーショナルで、幼児向け食育番組「ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン」を担当。大学1年、高校1年、中学1年生の3兄弟の母。

(2)家事・子育てを楽しい時間に変える場のしかけ
「子どもの生活創造エネルギー」は家族とのコミュニケーションの中で生まれると考えます。忙しい共働き家族が限られた時間の中でコミュニケーションを生み出すために重要な場の仕掛けについてお話ししていきます。
講師:山田 恭司(やまだ きょうじ)氏旭化成ホームズ株式会社 くらしノベーション研究所 共働き家族研究所 所長

1987年 早稲田大学理工学部建築学科卒業後、旭化成ホームズに入社。横浜市を中心にへーベルハウスの戸建て注文住宅や展示場設計を12年間おこなう。1999年から2年半、北米のインテリア会社でリフォーム建材の商品企画・設計を行う。子ども幼少期は家族と共に海外で生活。帰国後、へーベルハウスのリフォーム技術開発・商品企画・設計を経て2019年より現職のくらしノベーション研究所。

講師:市来麻衣子氏旭化成ホームズ株式会社 くらしノベーション研究所 共働き家族研究所 主幹研究員

2006年 日本女子大学家政学部住居学科卒業後、旭化成ホームズに入社。東京都を中心にへーベルハウスの戸建て注文住宅や集合住宅の設計を16年間行う。2016年に出産し一児の母。子育ての経験も活かしたすまいの設計やくらしの提案を行う。2022年より現職のくらしノベーション研究所

第6回12月21日(木)16:00~18:00 「子どものソーシャルエネルギー(子どもでも社会を変えられる?)」

キャリア教育やSDGs意識などの浸透の中で、子どもが仕事や社会活動を体験する場も出てきています。子どもたち自身のお役立ち感、自己肯定感を育てながら、将来社会自体を変える力となっていく。
各論編の最終回は、子どものソーシャルエネルギーについて考えます。
(1)未来の自分を近くに感じるおしごと体験
夢★らくざプロジェクトでは、次世代への「夢★デザイン」を応援することを目的として、これまでに約35,000人のこどもたちに170種類以上の職業体験を提供してきました。将来に対する自分の可能性を広げてほしいとの思いから、活動についてお話しさせていただきます。
講師:髙田 亮氏(一般社団法人夢らくざプロジェクト 代表理事)
1973年生まれ。東京育ち。早稲田大学社会科学部を卒業後、10年以上広告業界に携わった後、独立。2011年に法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科を修了後、こども向けおしごと体験の企画・制作をする「夢★らくざプロジェクト(一般社団法人夢らくざプロジェクト)」を立ち上げる。2022年には、経済産業省主催「キャリア教育アワード」にて「優秀賞」を受賞。

(2)動物たちと子どもたちが対話して未来をデザイン!
今、地球は大変なことになっている!もう、人間(おとな)だけにまかせちゃいられない!このフレーズは2018年、SDGs未来都市UBEではじまったジュニア世代を主な対象とした次世代人財育成プログラム「せかい!動物かんきょう会議」の合言葉です。本活動の成果と可能性についてお話しします。

講師:イアン 筒井氏(株式会社ヌールエ デザイン総合研究所 代表取締役/一般社団法人SDGsワークス 代表理事)
原作者、アートディレクター&プロデューサー。HONDA R&Dにて「人が死なないクルマの研究」が最初のテーマ。1995年ヌールエ デザイン総合研究所を創立。1997年からはじめた『動物かんきょう会議プロジェクト』の総合プロデューサー。動物になって考えることで既成概念の枠をはずし、自由でクリエイティブな発想ができる人材を育成したいと考えている。2018年からSDGs未来都市の山口県宇部市などの自治体と連携し、動物園·水族館·自然の中をフィールドに日本と世界の子どもたちが創発しあう『せかい!動物かんきょう会議』を展開している。2021年、対話の場づくり教材『Animal SDGs(日・英)』をサステナブルデザインの専門家 益田文和氏とともに企画開発し、『SDG18/未来の子どもたち』を発信している。

【第7回 1月23日(火)13:00~17:30 クロージング・セッション(コラボ会議)

『子どもたちの新しい物語の地平へ』-コンテンツがサポートする子どものコミュニケーション力
①基調講演1:「不登校の子どもが持つ創造エネルギー」
       カウンセリングルームはぴっと室長 田中 勝悟氏
②基調報告1:「子どもコンテンツ10のキーワード」
       ミッドポイント・ワークラボ 代表 西岡 直実
③基調講演2:「モノづくりが育む子どもの独創性」
       株式会社ナチュラルスタイル タミヤロボットスクール代表 安中 剛氏
④研究会報告:「研究会から見えた子どもコンテンツの課題」
       慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科/CiP協議会亀山 泰夫氏
⑤パネルディスカッション:「子どもの新しい“わくわく感”を生み出すには?」
       安中 剛氏/亀山泰夫氏/田中 勝悟氏/コーディネーター:西岡直実